山崎
そうか、マリエちゃんはそうだったんだね。
でもさ、結婚してゆっくりするのかと思いきや、ハードにラジオ局で働いてるよね。
マリエ
全然ハードじゃないですよ。
山崎
えっ、でもハードそうよ。
マリエ
どうなんでしょう。テレビ業界とかに比べたら全然ゆるくって。
おっきな職場じゃないので、
社長がいて、上司が二人いて、先輩がいて私っていう。
ちっちゃい会社なので、のらりくらり好き勝手やってます。
山崎
メインはどんな仕事なの?
マリエ
ナレーターさんの声を収録して編集する、という仕事がメインですね。
たとえば、ラジオ局が中央区にあるんですけど
区の広報誌ってあるじゃないですか。
山崎
おうちに届くやつね。
マリエ
そうそう、その広報誌の内容を読み上げる番組。
紙のものをラジオで流すんですが、そのナレーションを収録して、
音質なんかを整えてBGMをつけて、1つの番組にするっていう編集作業とか。
あとはパーソナリティーさんがゲストを迎えて対談するっていう番組の収録と編集とか。
山崎
編集までぜんぶやるんだ?
マリエ
はい、収録から編集まで。いわゆる制作と言われる仕事です。
ちょっとした原稿を書くこともありますし、
人手が足りなくてナレーションを読んだこともありました。
山崎
おぉ!
マリエ
あとはミュージシャンの友達が多いので、
新しいCDが出たとか大きいライヴがあるって時は、
ちょっと枠を確保して特集を組んだり。
山崎
そうそう、一回組んでいただいたよね。
マリエ
そうですね、ネクストでの企画の時も、
それぞれアーティストご本人のコメントを頂いて。
山崎
いままでいたフィールドと近いような、近くないような。
マリエ
そう、音楽とつかず離れず良い距離感で。
やっぱりミュージシャンを裏から支えるのが向いてるって思ってたし、
どの現場でも裏方仕事は基本、向いてるんじゃないかなぁ。
山崎
やってみてもそうだったんだ。
マリエ
はい。
ただ、表舞台にいたことがあるぶん裏方の人間にしてはそうとう我が強いと思うので、そこは恥ずべきところですねー。
でも、今の仕事は自分のペースでできるし、楽しくやってます。
山崎
そっかー。
でも、今までやってたことが、人前にでて30分なり40分なり歌うっていう、相当プレッシャーかかることでしょ。
そう思うと、気持ちの置き場所が裏方とは全然違うよね。
マリエ
んー、結婚を機に別人になっちゃったからなぁ。
相手に染まったとか染められたってことじゃなく、
価値観が自分の中でがらりと変わった部分もたくさんあるし。
あ、顔つきが変わったとかすごく言われましたもん。
山崎
それは私も思った。全然ちがうよね。
でもきっと意識的にギスっとさせてたところもあるんだろうなぁと。
マリエ
そうですね。あぁいう音楽をやる以上、
幸せであってはならない、じゃないですけど
超幸せな環境であの歌を歌っていたら、嘘にしかならないと思っていて。
かといって、幸せな歌が歌えるかって言ったら
そういうことでもなかったので。
地で歌をいくんじゃなくて、
歌で地をいくと言うか。
山崎
わはは。おもしろい。
マリエ
逆だよ、逆!って感じなんですけど(笑)。
あんまり満たされてはいけないっていう思いがありましたね。
山崎
当時、マリエちゃんがガリガリで心配して声掛けた時
いや太っちゃうとステージに説得力ないんでって
言ってて。すごいなーっておもったの。
マリエ
あの歌をね、ふくよかな体で歌われても絶対違うと思ってて。
例えば、ハイロウズのヒロトさんが太ってたら説得力が変わってくるだろうし。
とにかく人は見た目だって思ってました。
今も思ってますけどね。表舞台に立つなら人は見た目。
イケメンとか美人とかってことじゃなくて、その人のシルエットとか生きる姿勢っていうのかな。
だから、見た目は維持するようにしてました。
山崎
いつも、青白くてね。
マリエ
月の光で生きてますって言って。
だって、こんがり焼けた肌であれを歌われてもねぇ(笑)。
山崎
マリエちゃんは本当に自分のステージをショウとして
捉えてるよね。
マリエ
いまでこそ逆だよ逆!って思うけど、
本当に音楽に地をはめながら生きてましたよね。
無理もしてなかったけど。
山崎
だからね、人間の顔ってこんなに短期間で
こんなに変わるのかっていうくらい、音楽を辞めて、結婚したらふにゃってしたよね。
マリエ
みんなには、全然いじってないよって言ってます(笑)。
山崎
自然整形だね(笑)。
マリエ
闘う必要もなくなったのが大きいかな。
山崎
結局、イベントを組むのはいまでも続いてるじゃない?
それは、自分が音楽をやっていた頃と変わった?
マリエ
自分が出演する必要がないので、自由度が高くなりましたね。
それまでは、マリエってアーティストがいて、
じゃぁ誰と誰を組み合わせようって考えてたのが、最初の軸が無くなったので。
4月にネクストでやった「スタインウェイvs才能」も、
今まではピアノだけのイベントなんてやろうと思ったこともないわけですよ。
だって、自分はギターだったし、ピアノも弾けないし。
そういうイベントが頭に浮かぶようになったってだけでも楽しいです。
ただ、私が音楽をやっていた当時、同じように活動していたアーティストが
みんな売れっ子になってきてるので、
スケジュール的に捕まえられないとか、この規模の会場には誘えないなってことは増えました。
誘ったら失礼になるんじゃないか?って思うこともあるし。
そこは身をわきまえるじゃないですけど、距離を置くことはありますかね。
ただ、基本は自由度が高くて楽しいことができていいなぁって思ってます。
山崎
「ヨメ」として参加したりしてるしね。
マリエ
「ヨメ」って言う名前がでるようになったのは代官山のNOMADっていうライヴハウスで、
「○○がやれっつんで集めてみました。」ってイベントがあるんです。
○○は人の名前が入れ替わるんですけど。
それで結婚した後にNOMADの店長に、「ヨメがやれっつんで集めてみました」
ってどうですかね?って打ち上げの席で言ったら
「いいね、それやんなよ」ってなって。
それで、ヨメは何しようかなって考えたときに、じゃぁ、フードでも作ろうって。
旦那がシンガーソングライターとして活動していて、
なかなか面白い音楽をやってるので、私の周りのミュージシャンに改めて紹介したいなっていうのもあって。
ちょこちょこ組んでみたら楽しいかなと思って始めました。
山崎
嫁になっても敏腕だよね。
マリエ
いやー、本人はむしろ迷惑に思ってるかもしれませんね(笑)。
旦那が出演するときだけイベントに「ヨメ」の名前がついてますが、それ以外は付けずにやっています。
山崎
話変わるけど、マリエちゃんと私と言えば、本がかなり好きだよね。
マリエ
そうですね。でも本の好みは相当偏ってると思います。
小説しか読まないので。
山崎
たしかに、小説だけって時点で偏ってるね。
詩集とかも?
マリエ
読まないですね。詩集は子どもの時は好きでしたけど、いまは全く。
エッセイも苦手だし、ハウツー本なんかはアレルギーじゃないかってぐらい苦手(笑)。
あ、でも絵本ならエドワード・ゴーリーって作家だけは結構好きです。
山崎
あぁ、あのシュールな絵本ね。
マリエ
ブラックユーモアな。
ゴーリーは、高校の時に尊敬してた先輩が誕生日に
「マリエは好きだと思うよ」ってプレゼントしてくれて。
集めてるとかじゃないんですけど、たまに人に贈ったりしています。
これをおもしろがってくれる人はもっと仲良くなれそうだなっていう、指針のひとつとして。
山崎
私も一冊持ってるなぁ。
絵本良いよね。絵本って短いし、言葉少ないから、意外と簡単なようであれは凄い世界だと思う。
マリエ
あ!あと、子どもの頃に読んだ絵本で好きなのはカラスのパン屋さん。
昔の絵本だと思うんですけど、
裏表紙の見開き一面にいろんなパンの絵がわさーっと載ってて、
そこにものすごいわくわくしたんですよ。
わぁ、パンがいっぱい!っていうわくわくがずっと忘れられなくて。
結局どういう話だったのか思いだせないけど。
山崎
そういう記憶の残り方をするものってすごいよね。
キャッチーさがね、あるんだよね。
そうそう、すごいなって思ったことがあってね。
最近、甥っ子によく会いに行くから、DVDを持っていくのね。
マリエ
何買うんですか?トーマスとか?
山崎
うん、トーマスとか、ロボカ―ポリーとか。
マリエ
ロボカ―ポリー、、、知らないなあ。
山崎
ロボットがね、ざきーん、ざきーんっていって、車に変身してね、現場にかけつけるの。
あと、ジブリ。で、ジブリがね、すごいの。反応が!子供の。
トトロのまっくろくろすけとか、ざわざわざわって出てきたときに、
びっくりして、隠れたりするわけ、甥っ子が。
これはキャッチーだな、すごい!って思った。
マリエ
ジブリと言えば、姉が専門学校に通ってたときに幼児教育の授業があって、
トトロを3歳だか5歳だかまでに観るか観ないかで、
その後の人格に影響が出る、、、みたいな研究結果があるって聞いたことがあって。
ジブリすげーって思った記憶があります。
山崎
それで、さらに大人も楽しめるっていうところがすごいよね。
ロボカ―ポリーとかは完全に子供向けだから、何度も観られると、叔母ちゃんはもう無理です、、ってなっちゃうんだけど。
マリエ
なるほど(笑)。
あー、最近のジブリだと「風立ちぬ」も良かったなぁ。
山崎
私も号泣した。あれも浪漫あるよね。
煙草のシーンが話題になったよね。
マリエ
なりましたね、病人の前で煙草を吸うなんてって。
山崎
私はあれね、なんて夢の無い意見だ、って思ったの。
マリエ
現代っぽいクレームだなって思いましたよね。
山崎
それでも近くにいたいというあの感情は伝わらないのだろうかと思って。
私ね、毎年周年の時とか、これからやるぞ、忙しくなるぞってってなった時に
気が狂ったように本読んだり、映画見たり、美術館いったりしちゃう。
出産前じゃないけど、何か、入れたい、入れたいになっちゃう。
マリエ
私もあるなぁ。大きいイベント前とかになると、映画3本一気に観たり。
山崎
自動的になるよね。体重落ちてくると、油ものとか欲しくなるのと一緒で心もがっつり欲しい、欲しいってね。
マリエ
あと、最近はあんまりないけど、流行りものは押さえておきたいっていうのもあって。
好きとか嫌いじゃなく、知識として押さえておきたいっていうか。
流行った後で見たりして。
山崎
うん、わかるわかる。みんなが夢中になって惹かれているものが
どんなものか知りたいよね。
マリエ
普段はアニメって興味ないんですけど、「まどマギ」とか、「けいおん!」とかも観ました。
山崎
あぁ、まどマギ、私も観たい!
マリエ
私はテレビ版しか観てないんですけど
最初の三話を我慢したら絶対に面白くなるから!って友達に言われて、我慢したんです(笑)。
そしたらほんとにおもしろくなって。
山崎
へぇ!確かにすごい良いって言ってる人が多くて、気になってる。
私ね、「エヴァンゲリオン」は、すごい人気だし、いつかは観なきゃって思って、
何年か前に観たんだけど。
マリエ
ぴんとこなかった?
山崎
うん、こなかった。世代なのかなぁ。
マリエ
うん、世代かもしれない。
私も5〜6年前にまとめて観たんですけど。
山崎
やっぱりぴんときた?
マリエ
私はぴんときました。こりゃ流行るわって。
山崎
そうなんだー。私は、ぴんとこないっていうのと、
これを観るには私ちょっと年取ってるかなぁという感じはあった。
マリエ
それはありますね。
いま、月9の恋愛ドラマに興味わかないのと一緒かも。
5年前だったら楽しめたけどなぁって感じかもしれないですね。
山崎
若い時に観てみたかったな、とは思った。
良い作品ってわかるんだけど、ぐっとくるかどうかは別だよね。
特にアニメって私の世代ってマイナーなものだったんだよね。
アニメ好きだなんて教室でいうと、ちょっと、ハブられちゃうみたいな。
今の方たちはアニメ好きなのが当たり前だから、
みんなすっごくいろいろ観てるでしょ。
だから取り入れ方が違うよね。
マリエ
確かに。テレビのアニメ枠なんかもすごく増えましたしね。
あ、そう言えばルパン三世の新シリーズもおもしろいです。
旦那がルパン大好きなので録画してます。
山崎
ちょっと雰囲気似てるよね。
マリエ
でも、私は次元が好きなんですけど。
山崎
えっ、次元なの?ルパンじゃないの?
私、絶対ルパンだよ。
マリエ
みやこさんはルパンだろうなー(笑)。
次元は、帽子が無いと的を外しちゃうとこがたまらなく好きで。
一個欠けるとだめなところが。
山崎
それ、きゅんとくるね。
マリエ
30年ぶりの新シリーズで、すごくおもしろい。
山崎
けっこう色々観てるんだね。
マリエ
いやー、数でいったら全然少ないですけどね。
本なら好きなものを何度も読む感じだし。
山崎
マリエちゃんは人間付き合いでも決めたものを狭く深くいくんだね。
マリエ
なぜ流行ってるのは知りたいから、つまみぐいもしますけどね。
本は読むのも早いから、知識として自分の中に貯めておこうというのと、
流行りの話題になった時に、その輪に加われないのがつまんないからっていうのもあるかなぁ。
山崎
それ、わかるなぁ。
私はそれも含め、幅広くいきたい方かもなぁ。
そう思うと、マリエちゃんと私って真逆な気がするのに、何かがすごく合ってるのがおもしろい。
お酒飲まないし、アウトドアじゃないし、仲良くなる要素が見当たらない。
マリエ
サブカル全般が好きって言う共通項?
山崎
サブカル女子?
マリエ
サブカル女子よりはもうちょっとかじってるって思いたい。
山崎
じゃぁ、オタク女子かな?
マリエ
コレクターの素質はありますよね。
CDには絶対サインもらっちゃうし、チラシはファイリングしちゃうし。
山崎
あっわたしもそのタイプ。
マリエ
ファン気質なのかも。
山崎
そういうところは似てるのかも。
あと、性格全然違っても、ちょっとした気持ちを話すときに
すごく解ってもらえるっていうのがあるから、
一度、置かずにそのままストレートに言えるっていう。
マリエ
らくちん感がすごい。
みやこさんには、これは言わない方がいいよなってことがないもんなぁ。
山崎
私も全然ない。ラインで超どうでもいいこと報告しちゃうしね(笑)。
マリエ
(笑)。
山崎
このお菓子もいただいていい?
マリエ
どうぞどうぞ。
山崎
いただきまーす。
おいしいーーーー!
めちゃおいしい。なんだこれ。
マリエ
これ最寄駅にあるケーキ屋さんのタルトで、
テレビにもでたりするくらい有名らしくて。
みやこさんが甘いもの食べてる印象がなかったんだけど、これはおいしいし、私が食べたいし、と思って持ってきました。
山崎
よく言われる。甘いもの大好きなんだけど
そういうイメージないみたい。
マリエ
やっぱりお酒飲みのイメージの方が大きいから。
山崎
初めて会った人には、お酒も飲まなそう、甘いものも食べなそうって言われることが多い。
おせんべい好きそう、はよく言われるんだけど。
おばあちゃんっぽいって言われるから(笑)。
マリエ
みんなだまされてるよ、
すごくだまされてる(笑)。
山崎
自分ではほんとに全然わかんなくて。
マリエ
普通じゃない自覚はあるんですか?
山崎
いや、なかったの。
でもけっこう言われるでしょ。言われる度に「えっどこを見て言ってるの」ってわかんなくて。
そんなに喋ったことない人とかにも言われたりすると「今日そんなに喋ってないはずなのに、どこなの、どこなの、教えて!」って思う。
マリエ
私が近しい友達にみやこさんを紹介するとき
「こんなに柔らかい雰囲気をもっているけど、私が知ってる大人の中で一番パンクスだから。」
って言って紹介してるから(笑)。
山崎
ほんとに!?
いや、もっといるでしょう。
マリエ
その人が持ってる雰囲気とかあるじゃないですか。
そこからはやっぱり離れ過ぎてて。
しかも、みやこさんは離れてる距離が尋常じゃないから(笑)。
山崎
でも、治し方もわかんないし、、、
マリエ
一生このままですって!
あきらめましょ!
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マリエ プロフィール

2013年6月、音楽活動を終了。
現在はムラタトモヒロのヨメをしつつ、弾き語りイベントを企画したり、インタビュー&ライターをしたり、都内のコミュニティラジオ局でディレクターをしたり、している。紅茶が好き。甘党。

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