n uma
その当時から漫画とか本とかはすごい読んでましたけど。
それで、剣道じゃない未来、なんだろうって考えた時に、俺、絵を描くの好きかもってなって。
小学校の時イラストクラブに入ってたし、なんかできるんじゃねぇか、って。
絵を描くのは小学校以来だったけど(笑)。
で、剣道の監督に美術の方向でいこうと思ってますって言ったら、
監督も「あれ、、大沼、面打たれ過ぎて馬鹿になっちゃったのかな。」って(笑)。
お父ちゃん、お母ちゃんもびっくりして。
山崎
絵が好きっていうのは、なんとなくどっかではずっとあったのかな。それとも急に思いついたの?
n uma
その時はけっこうむりくり出した感じ。
その頃はバンドやるなんて思ってもみなかったし、クリエイティヴなことをしてるとか全然考えてなかった。
そしたら、高校の美術のファンキーなおばちゃん先生にふざけんじゃねぇって言われて。
思いつきで美大に入られても困るって(笑)。
それで高校卒業した時に試しに、大阪芸術大学とか受けてみたけどダメで。お世話になってた先生が秋田には美術予備校が無いけど仙台にあるから行きなさいって。
すごい偶然なんですけど、親父が仙台で単身赴任してて一人暮らしだったから、親父にお願いして、仙台で浪人暮らしが始まったんです。
山崎
浪人時代はお父さんと二人で暮らしながら過ごしたということ?
n uma
そうなんです。親父がずっと単身赴任であまり会ったことがなかったから、
まぁ、話辛い。男親に息子だから、変な距離感。
山崎
お久しぶりです、みたいな?
n uma
そうそう、敬語になっちゃう。ご飯の時くらいしかきっかけなくて、
「じゃぁ、米のとぎ方を教えよう。」「ありがとうございます。」みたいな(笑)。
その時位から同じようなオタクが予備校にもいて、初めて音楽の話とかで盛り上がったり、ミックステープとかを借りられたりとか。
僕が19歳の時とかはMDとCDプレーヤーが全盛だったけど、あえて、ショックウェーブでカセットでっていう。
ブッダ・ブランド聴いたり、ヒップホップ好きな友達とその時にすごくつながった。
山崎
仙台では、クラブとかライヴに行ったりしたんですか?
n uma
そういう華やかなところは怖くて行かなかった。今もそうなんだけど、ライヴハウスの雰囲気とか、すごいドキドキしちゃって。
周りからは堂々としてるって言われるけど、なんか、俺場違いじゃないみたいな、
卑屈な時の感覚が戻って来ちゃう。もちろん、DJの友達もいるから誘われますけど、行くと間が持たないからすげぇ飲んじゃう。
山崎
そうなんだ。そんな風に全然見えない(笑)。
仙台はけっこう栄えてますよね?
n uma
はい、都会だから楽しかったですね。電車もバンバン通ってるし。秋田だとルーズだと話にならないから。
山崎
予備校のお友達はどんな感じだったんですか?
みんな目標があって、それに向かってる感じ?
n uma
うーん、男子はこうなりたいからこの予備校来たって奴が多いけど、女子はふわっとしている印象。
今でも仲が良い予備校時代の奴がいるんですけど、出会った時は真っ赤なダッフルコートに冬なのに短パンで、足元は超レアなアディダスの靴履いてて、髪が銀髪で、しかもおかっぱで。
でも絵が超下手なんですよ。こいつ、なんなのって(笑)。
でも俺も初心者だし、初心者つながりで仲良くなっておこうと思って。
僕みたいなノリで美大受けようと思ってます、って奴はちょっと浮いちゃうんですが、その中でもそいつはひときわ浮いてて。
そいつとますだ君ていう、髪が真緑でツーブロックでソフトモヒカンの奴がいて、その3人でよくつるんでました。
山崎
強烈ですね(笑)。その時のぬまさんは?
n uma
僕は眼鏡して普通です(笑)。
その二人に囲まれて、私服とかも全然持ってなくて、お母さんの買ってくれたチャンピオン着てた。おしゃれのおの字も知らなかった。
予備校から大学2年あたりまでに知りあった人にはよくいろんな音楽を教えてもらって。
ブルーハーブのミックステープを聴いたりして、すごいドキドキして、髪の毛抜けるくらいびっくりしました。
あの時の音楽おもしろ感は半端なかった。
ちょうどチボマットとか出てきて。日本人もいけるなって。
ジャーマンロックが大好きで、ヘビーメタル至上主義なのはあったけど、浪人時代はめちゃくちゃ借りまくって聴きまくって、楽しかった。
ちょうどレニクラもデビューして。びっくりしました。
アコースティック、ポップ、ロック、フュージョン、全部やってる!って。何だこの人って。
山崎
レニクラは音楽好きじゃない人でも知ってるくらい売れましたよね。
n uma
予備校の時にセレクトシリーズ、すごい増えました(笑)。
山崎
予備校時代もセレクトシリーズちゃんとやってたんですね。几帳面(笑)。
n uma
そうですね、神経質ではありますね。なるべくなら部屋とかもきれいにしていたい方。
仕事する前はテーブルの上とか一旦、全部きれいにします。
山崎
それは、なかなか神経質ですね。
n uma
自分の性根の部分がアバウトだから不安というのがあって。
寝る前とかもシーツとかきちっと直したり、そういうところはしっかりやりたいんですよ。
山崎
あ〜、でも私も似てるかも。私はアバウトだと言われることが多いのですが、衣装ケースの中とか、すごいこだわりあって。きっちり折りたたんで、縦にきれいに並べてないと嫌なんです。
n uma
わかりますね。僕もTシャツとか、くるくるって筒状にして、衣装ケースの中に全部立てるんです。
山崎
すごくわかります(笑)。
ぬまさんはコレクターでもありますよね。
n uma
そうです、気質はオタクです。
山崎
単純な疑問なんですが、漫画とか集めてるものって永遠に増え続けるんですか?
n uma
三回引越しして、1000冊くらいは売ったりしたんですが、その度にすごい後悔するから今後は売らないと思います。
山崎
あとは増えるだけ、、、(笑)。何が一番多いです?漫画?
n uma
漫画と超常現象の本、同じくらい。
山崎
大量のコレクションがあって、あれを見たいなって思ったらすぐ出せるものですか?
n uma
けっこう出せます。
本棚が4つ、壁一面にあって、2000冊くらいあるんですけど。
ある本を読んでて、参考文献〇○って出てくると、俺これ持ってるな、ってなって、見てみるんです。そういうのがすごい楽しい。
山崎
マイ図書館みたいですね。
n uma
そうですね。図書館でも似たようなことやっちゃうけど。
こういうのを参考して書きましたみたいな参考文献があると、元ネタをすごい探しちゃう。
山崎
本以外にもコレクションしてるものがあるんですか。おもちゃ的なものとか。
n uma
そうです、プラモだったり、フィギアだったり、身にならないようなものを。
典型的な男の子のオタクです。
山崎
プラモデルとかはちゃんと飾るものなんですか?
n uma
飾ります。作って、色塗って。ナウシカのメーヴェの隣にはドイツ軍の戦車とか。
山崎
そうなるとやっぱり、ある程度几帳面じゃないと飾れないですね。
でも、コレクションがどんどん増えるってことは、そのうち書庫とか、それ用の部屋が必要になりますね。
n uma
そうそう。立花隆さんが本買いすぎて、床が歪んだって書いてて。
レンタルスペース借りようかなって。
でも、最近はそんなに本を買うことも無くて。
ちょっと前は4、5万円を握りしめて、神田の古本屋へ行ったりしてて。
山崎
4、5万!?
n uma
楽しいですよ〜。錬金術のレアな本とか。
まず錬金術にハマってないと買わないんだけど、何でハマるかっていうと、錬金術って、その辺に転がってる石ころを金に変える技術で。すごい怪しくて、馬の精液と何かをかけあわせると金ピカになるとか。
それは、その当時の最先端の科学でもあるので、当時はこういうので作れると思ってたんだ、というのを知ることができると、すごく面白い。
けっこうヨーロッパのオカルトの話とかすごく好きなんで、楽しいです。
山崎
へぇぇ。おもしろいですね。それを読んでふむふむとなって、それは誰かに話したりするんですか。
n uma
それが歌になったりします。そういうのをバンド活動の中の言語の部分でアウトプットしていこうって思ってるのもあります。やっぱ、日本語って恥ずかしいから。
J-POPで歌われてるような、二人で壁乗り越えたりとか、まじ親に感謝とか、みなまで言っちゃうような歌はなんか苦手で。
山崎
わはは。
n uma
けど、POPなところで成功している人はそれを嫌味なく言える人なんですよね。
でも僕はそういう人ではないので。
行間に込めたいんですよね。そこに僕の美学があるので。
だから、ボキャブラリーを培うためにも本は必要だなぁと思います。
山崎
ぬまさんが作った曲の詩について、バンドメンバーから、これはどういう意味なのって聞かれたりすることもありますか?
n uma
それはデモ音源の時点で伝えます。例えば「丑三つ時」って歌だとしたら、こういう世界を歌っているから、みんなの考える丑三つ時をくださいって。僕はデモでここまで作ったからって。だからけっこう無茶ぶりしてますよね。
山崎
ほぅ。その方がイメージしやすい、やりやすいって人もいるかもしれないですね。
n uma
そうですね。でもすごく感覚的なところが大きいので、ダメな人はとことんダメですよね。クラシックできてる人はけっこう拒絶反応です。楽譜でくれって。
山崎
そうかも。でも感覚の部分を共有できるというか感じてもらえるって大切ですよね。
私は音響の沢田さんが働いていた時に、私が機材の知識がないので「もっと毛の生えた感じの音にして欲しい。」とか「音の色合いをオレンジにしてほしい。」みたいな伝え方をしていたんです。それが全部伝わって、思うような音になったのですごく楽だったんですよね。
n uma
すげぇ、わかる。沢田さんは半端ないですよね。一回リハなしで沢田さんにやってもらったことがあって、それがどんぴしゃで。僕はけっこうPA泣かせなので、小さく大きくの幅が広いんですよ。
多分、その引く瞬間と出す瞬間が分かったんでしょうね。肌感覚というか。
山崎
そうですね。私の場合、感覚の部分で伝わらないと一緒に何かやったりできないんですよね。
n uma
僕の場合、やっぱり僕の肌感覚なので、なんだかんだでワンマンですよね。
山崎
それも重要なことだと思います。フロントマンがメンバーに譲りすぎてると、やっぱり軸が無くなっちゃう気がします。
山崎
先程の歌詞の話に戻りますが、ぬまさんは日常的なふとした気持ちから、歌詞にするようなことはないんですか?
n uma
僕が「何気ない幸せ」とか言うとすごく嘘っぽく聴こえるんで(笑)。
10人いたら10人の世界があって、僕としては超常現象とかを歌ってる方が気持ちがおさまる感じがします。愛の恋だのとか、歌うことはあまり出来ない。
僕の場合は、言葉よりはやっぱりメロディが入ってくるんですよ。うわぁ、このメロディいいなぁって。
で、メロディとそこに言葉がのったときの音の感じ、言葉の母音とか、そういうのが好きです。
山崎
ふーん、重要なのは「音」なんですね。歌う方の声質に惹かれたりすることはあるんですか?
n uma
それはありますね。フィッシュマンズとか、清志郎さんとか初めて聴いた時はすごくびっくりして、気持ちいいなぁと思いました。
でも、こんなこと言うと怒られるかもしれないけど、言葉ってあんまり入ってこないんですよね。だから多分、洋楽とかも何歌ってるかわからなくても聴けるんだと思うんですよ。僕の人生変えたくらいの恩人のベン・ハーパーも、もちろん会ったことないですけど(笑)、声と音の感じ、メロディとかグルーヴとかが好きですね。
だから、プリンスとかはすごく聴きやすい。
僕のイメージなのですが、プリンスはグルーヴを大切にしているのかなっていうイメージがあって。どんどん音がそぎ落とされていくんですよ。ベースも単音、単音だったり、スネアも一発、キックも二発とか。そこに歌メロも乗るんだけど、声も楽器というか。
日本人でも外国人でも、言葉に意味を持たせちゃうと、音以前にの意味を投げちゃう気がして。
僕は表現でそこまでやっていいのかな、必要あるのかなって思っちゃうんです。
でもそれは演る人にもよるし、聴き手にもよるので、僕が言ってることが正しいとは全然思わないのですが。
ただ、僕の中では、極端な話、あーとか、うーとか、母音だけを言ってるのが最高だと思ったりします。
でも、さすがにアウトプットするときのフォーマットとして、あまりにもそれは、、とは思うんですけどね。
山崎
ぬまさん、面白い。まさに沼って感じ。色々なモノへの興味の持ち方と出し方、それとこのぬまさんの雰囲気の混在の仕方が本当に面白い。
n uma
でも、僕は本当に小心者で、周りがすごく気になっちゃうから、一人になった時が一番ほっとする。
一人の時が最強です。
テレビに一人で大声で突っ込んだり、チャゲアスのDVDとか観て熱唱したりしてる。
誰にも見せられないです(笑)。
ライヴなんて対人関係の極致だから、終わるとぐったりしてる、本当に。
お客さん大丈夫かなって。ライブ中に1、2曲削るのもザラです。
堂々とやってる人、すごい羨ましい。
僕は石橋をラジオペンチでたたいて渡るようなタイプなんで。
山崎
そうしたら、急な事件とか、焦っちゃう?
n uma
でも僕の場合、心配性がすごいから、旅行行くときも一週間前には荷物全部まとめてあるから。怖いから保険証のコピーもとってあるし。小さい頃から本当に気が小さいから、遠足の一週間前にはお菓子買ってました。
山崎
えぇぇ!えっ?えっ?衝撃!
ぬまさん、沼がすごすぎる(笑)。
n uma
旅行中もベッドの横には明日の衣服をたたんで寝ます。
山崎
ぬまさんいたら、失敗ないですね。尊敬します。私は石橋を壊して渡るような人間なので。
すごい事件とかすぐ起こしちゃう。
n uma
でも、そういう事件の当事者になった時に動じないような気持ちは欲しいですけどね。
超ビビりで超小心者なので。
山崎
いやいや、見習いたい。私、以前、愛媛にライヴを観に行ったとき、空港に早く着いたから、のんきにカレー食べてたら、飛行機行っちゃったことがあって。運良く次の便に乗せてもらって、愛媛着いたら猛ダッシュで会場行ったことがあるんです。
n uma
わはははは。僕は秋田へ帰るときとか、羽田空港へ着いたら、1時間くらい、何もしないでずっと座っています。
小心者の極地なんで。
山崎
もう、ほんとにすごい、すごい。すごすぎる!
n uma
いやぁ、もう少しおおらかに生きたいです。
でも、やっぱり焦るのが嫌だし、気が楽だから。
ちょっと笑い話になるような事件とかあった方が人生経験としては良いですよ。でも、小心者だから、本当に。
山崎
そしたら、思いつきで何かをやって失敗しちゃったとかいう経験もないんですよね。
n uma
そうですね。思いついてから綿密に練るので。
色々な事が想像の範疇ですね。だから、待ち合わせとかでも30分前とかに行っちゃう。
山崎
え〜!ほんとにすごい。アバウトでうまくいくこともありますけど、きちっと計画通り出来ることへの憧れはあります。
かっこいいなぁ。
でも結局、ぬまさんも私も別ベクトルに何かがハズれてますよね。
n uma
そうですね、みやこさんもなんというか、エキセントリックですよね(笑)。
山崎
やだなぁ、本当に。なんとかしたいですけどね。
n uma
まぁ、お互い、仕方ないですね(笑)。
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n uma プロフィール

1979年秋田県出身
1999年より音楽活動を開始。秋田民謡をダブで表現したり音頭をモチーフにしたりと、伝統的なところから日本ならではの高揚感を得られればと。
同時にイラストレーターとしても活動し、最近ではレキシのグッズやホームページなどを作成。レキシネームは「ナマハ源内」。
その他ミュージシャンのCD・レコードジャケット、Tシャツ、そしてweb制作なども手がけている。

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