山崎みやこが飲み物を、そして対談相手がおつまみを用意して、気になるあれこれ、どうでもいいあれこれを話す、雑談のような対談。ちょいと、一杯いかがですか。どうぞお楽しみください。

山崎
こんばんは、お邪魔します〜。
エバーグリーンさん、久しぶりに来た!お忙しい時間にごめんなさい。
服部
いえいえ、よろしくお願いいたします。
山崎
私、美味しいビール、持ってきたんです。静岡のベアードビール。
白ビールと黒ビールと。
服部
僕はこれ。お店のつまみのお菓子。こういう店だから、こういう感じかなって(笑)。
ビール、こっちでいいですか?
山崎
はい、じゃあ私もおんなじ方。
最近、ビールバーって盛り上がってるんですよ。地ビールも美味しいのがたくさんあって。
服部
へぇ。おいしそう。
二人
じゃあ、乾杯!宜しくお願いします!
服部
あぁ、美味しい、これ!
山崎
ね、美味しい。
今日はありがとうございます。
お店にも色々なものが増えてますね。もうどれくらい経つんでしたっけ?
服部
えっと、もうすぐ丸2年。
山崎
えっ!もうそんなに経つの!?
服部
そうですね。一昨年の12月からなんで。
山崎
早い、なんかショック(笑)。早い!信じられない。
服部
早かったですね。
山崎
うわぁ、、以前一度、お邪魔して。
また来たい来たい、と思っているうちに、、、そんなに時が経ってたなんて。
なんだかんだいって、服部さんとはちゃんと話したことないですよね。
一度、二人で飲みに行ったことはありましたけど。
このお菓子、つまんでもいいですか。お腹すいちゃった。
服部
どうぞ、どうぞ。
10人と対談するんですよね。
山崎
そう、10人。いま、服部さんは8人目。
服部さんには毎年お世話になって。
服部
良かったです、周年で企画やれることになって。
山崎
本当にありがとうございます。
このお店でもライヴされてますよね。
服部
そうですね。ここに周君のキーボードを置いてるというか、借りてて。
でも夏場が厳しくて、熱気がこもりすぎちゃって。
ドア開けたら下のお客さんがうるさかったりで、夏はライヴは控えてたんですけど、11月に何本か入れています。
山崎
あっ、夏はこもっちゃうですね。
11月は盛り上がりそうですね。
あれ、でも12月で一度閉めちゃうんですよね?
服部
そうです、12月でいったん閉店して、来年から移動出来たら嬉しいなと。
山崎
そもそも、服部さん、お店をやりたいっていうのはずっとあったんですか?
服部
いや、無かったと思います。
でもネクストサンデーとか、他のライヴハウスとかでイベントとかをやり始めてから、こういうことをやるのも良いかなとは思ってました。
イベントをやるきっかけがそもそも、林レイナさんを含めた方々を僕が主催して呼んだらどうなるんだろう、っていう軽い気持ちで始めて。
最初はライヴハウスイベントのノウハウが全然ないので、カメラマンとして何度か撮影に行った時にリハーサルの動きとかを見て、こういう感じなんだって思っていて。
だからいざ、自分がやってみると、わからないことが多くて、出演者の方からアドバイスをもらったりしました。あの時こうしておいたら良かったね、とか。
山崎
そんな感じで始めたんですね。服部さんとはネクストの三年目くらいで知り合ってますよね。
最初、打ち合わせというかイベントやりたいんですって話しに来てくれた時、浅香りえちゃんと来てくれましたよね。印象に残っています。この子はピアノ弾きですって紹介してくれて。
服部
あっ、そうかも。そうだ、最初にやった企画が浅香りえの21歳の誕生日とかだったかも。
山崎
そうそうそう!誕生日!
服部
最初のイベントで、浅香と周君を呼んで。周君はプライベートでは何も接点も無くて。
ライヴハウスで観て、本当に良いミュージシャンだなって思って、勇気を出して誘ってみたのが7年前。
山崎
周さん、今となっては、服部さんのお店で働いちゃってますもんね(笑)。
服部
そう(笑)。
山崎
りえちゃんも若かったけど、周さんも若かったですよね、あの時。
服部
そう、浅香と同じ年だから、20歳とか21歳とか。僕も26歳とか。
山崎
ひゃー、若い。みんなキャピキャピでしたね。
服部
あの時は、戸室太一君も出てくれたり、芝居もあったりで。みんな、若かったですよ(笑)。
山崎
うん、すごいエネルギー溢れるイベントだっていう印象でした。
服部
けっこう、全員がやるぞって感じだった。
山崎
それにお客さんもすごくたくさんいらして、熱気ムンムンで。
当時は「風太郎企画」という名前で開催されていて、風太郎さんの企画はパワフルなイベントというイメージでした。
服部
ありがとうございます。
最初の1、2年はそういうテンションでやっていて、でも途中でちょっと違うテンションになってきて。
山崎
うんうん、なんとなくわかる気がします。
服部さんが、みんなと本当に関係が深くて、仲が良かったから、その辺でまた違う感じになってきたのかなぁと。
服部
そう、それもありますよね。踏み込みすぎちゃったから、僕も出演者もお互いに「もっとこうあるべき・・」「それなら、こう・・」みたいな感じで、押し問答があって。
浅香とか周君とかとも何度かそういうことがありました。「今は私は出る時期じゃない」とか。
レイナさんともあったし。
山崎
そうそう、あの二人で飲んだ時に、服部さんとそういう話をしましたよね。
お互いに音楽をやってないから、ミュージシャンの気持ちを解りきれないところがあるのかなって話したことを覚えています。
服部
そうでしたね。共演者同士で、コラボでとかつながりが出来ていくのは嬉しいと思う反面、こういうことが続いていると内輪になっちゃうし、お客さんはそれを望んでないかもしれないし、演者だけの盛り上がりにならないかな、、、と。
そういうのを客観的に見つつも、ただ、それでも自分が好きな人たちだし、その人たちの気持ちをむげにしたくないって葛藤があった時期があります。
山崎
そうですね。まさにその時期に二人でお話させていただいて。
服部
僕は音楽やってる同士のコミュニケーションと、僕と音楽をやってる方のコミュニケーションはやっぱり違うなぁと思ってました。
山崎
それは私も悩んだことがあったし、あの時、服部さんとお話出来たのは大きかったです。
服部
ほんとですか。高円寺の居酒屋でしたね。
それで、イベントを三年前くらいに一段落させようと思って、それまでやっていた「風太郎企画」って名前をやめたあたりから、出演者たちと距離を取ろうと思ったんです。
でも、いざ距離を取ろうとすると、自分が応援したいミュージシャンに強く言えない。
やっぱりイベントやってるからこそ言えることがあって、お客さんの立場になってしまうと言いづらいなって。だから、イベントは続けたいなぁって思ったんです。
それで、ずっと出てくれてる人もいれば、新しく出てくれる人もいたんですけど、あまりにも空気感が出来上がったところに入ってもらうと、その人はその人で、入りづらいだろうなぁと。
常連組と新参の方々との兼ね合いが大変だった時期はあるかも。
山崎
服部さんのイベントって和気あいあいで、みんな仲良しだし、お客さんも一丸となる感じですものね。特に「風太郎企画」はそういう感じがとっても強かったですよね。新しく混ざる方は、確かに輪に入れるかなっていう不安はあるかもしれないですね。
服部
そうなんです。だから、疎外感を感じさせてしまった方もいると思うんです。
僕は単純にこの人の音楽すごいな、聴いてほしいなって思って呼んでるけど、そこよりもイベントのテンション的なもので寄り添えなかったりして、そういうイベントが、ちょいちょい増えてきちゃったのかなぁと思い始めたのが2、3年前。
それで、新たに「Life」ってイベントを始めるんです。こういう感じでやりたいなって。
山崎
「Life」も、もう何度もやってくれてますよね。
服部
そうですね、7、8回かな。
「Life」は30歳になってすぐ始めて。
30歳になった年に、今まで「風太郎企画」としてやっていたのを最後にしたんです。
山崎
「風太郎企画」時代も本当に様々な企画をやってくださいましたよね。
服部
ちょうど震災もあって。あの時はどうしようってなって。
山崎
そうそう、震災直後に、服部さんが企画を入れてくれてたんですよね。
それで、どうしましょうかって話合いをした時に、服部さんの考え方がすごく良いなと思ったんです。
あの時話せたことで、距離が縮まった気がして、いつかネクストでも働いてもらいたいなぁって思ってたら、お店やりますって聞いて。やっぱりそうだよなぁって(笑)。
こんなにしっかりした軸があったら、お店やるよなぁって思いました。
服部
えっ、そんなことを思ってくれたんですね。
山崎
そうです。やっぱり一つのイベントにかける情熱とか、何かが起こってしまった時の前向きな姿勢とか、すごく良いなぁと思って。
服部
たしか、震災の8日後くらいだったんです、決まっていたイベントが。で、たぶん、その時期って、大体中止にしてましたよね?
山崎
そうですね。やっぱり色々な連絡が来ました。歌えない、とか、今は歌っちゃいけないとか、そういうご連絡を続々と頂きました。
それを無理やり歌って下さいとは言えないし、これはどうなっていくんだろうって思っていた時だったんです。
服部
"今歌っても何も届けられない"みたいなことを発している人が何人かいたことに対して、僕は反発の気持ちが出てきちゃって。
「歌いたい」ってことって、誰かに届くためばかりじゃなくて、「自分が歌いたいから歌う」ってことの方をなぜみんな大事にしないのかなって。
山崎
そうですね。本来はそれが原点なんでしょうけど、あの時はみんなが混乱していましたよね。
普通に生活することすら、悪いことなんじゃないかって。
服部
僕は「こういう時だからこそ、いつも通りに歌いたい。」って人たちの場所を失したくなかったから。僕の周りの人たちは、林レイナさんも震災の3日後にライヴを決行していたり、、新宿二丁目の飲み屋さんでも震災の翌日にいつも通り営業やパーティーをしている店もあったし。
そういう活動によって、反発もされたというのは聞いたんですけど、でも、どっちの決断をしてもあの時期って言ってくる人は言ってきただろうから。
山崎
そうですね。あの時期はいろんな意見が混ざり合っていたから。
服部
そうなんです。僕のイベントも全員がやるなら出るよって即答してくれた感じではなかったので。
何人かと話し合って、結果的には全員出てくれることになって、お客さんもすごく来てくれて。
山崎
すごく良いイベントだった。生音でやっていただいて。
あの時の服部さんの、"特別なことをするのではなく、今日この場で出来ることを精一杯やろう"っていうスタンスが私にはとても響いたんです。
悲しみをオーバーに訴えることがない姿勢というか。
もちろん、悲しいんです。あんなことが起きて悲しくない人はいないし、みんなが心を痛めている。
服部さんも、私も、出演者さんも、お客さんもみんな動揺している中で、服部さんがあの感じでいてくれたことがすごく大きかった。
服部
あの日は出演者から「アンプラグドにして、出来るだけ節電にして出来ないか。」って提案があったんです。
それは、常日頃から、出演者とのコミュニケーションを取れていたからこその話だと思う。
こちらが一方的に「アンプラグドやります」「わかりました」ではなくて、やるんだったらこういうことをやるのがいいんじゃないかって言い合える関係の人が多かったので、それが良かったと思います。
僕も一人だったらどうしようってなっていたと思うから。
山崎
そうですよね。だから、服部ファミリーじゃないですけど。すごく団結力を感じましたよね。
服部
そうなんですよね、ありがたかったです。
でもその反面、そのファミリー感との葛藤はずっとあったので。
ファミリーって良いところも悪いところもあるから、新しい出演者さんから、"がっつり密な感じだと入っていけない"って言われてしまうのはもったいないなっていうところがあって。
「風太郎企画」っていう主催が前に出る感じはやめようと思っての「Life」なので。
「Life」は今まで出てくれた人とか、受付を7年くらいずっとやってくれてる子も一番好きな企画かもって言ってくれていて。あの受付の子、わかります?
山崎
あの受付の!うんうん、大好き。素敵な方。受付にいてくれるとほっとする。
ずっと観て来てくれた方が、今までより良いかもって言ってくれるのは励みになりますね。
服部さんは仲良くしつつも視野が狭くならずに、全体を考えるのがうまい方だなと思います。
だから、お店をやったのも必然なのかなって気がします。
あぁ、やっぱりやるよね、って思いましたもん。
服部
ぼくは立場的にこういう方が向いているんです。
イベントやるとして、出演者の中の一人って感じではない気がしていて。
カメラマンの仕事もしていることもあったりして、客観的に物事をみるのに慣れている部分もあって。
山崎
そうですよね。プロデューサー的な立ち位置が向いていますよね。
服部
客観的にイベントのことを考えると、林レイナさんとかにもつい言っちゃうんです。「今日のセットリストって、、、」みたいなことを。
僕自身は出てもらっている方はもちろん好きなんです。
でも、いざ、初めて観た方はどうなんだろう、入りやすいのかなってそういうのを考えるようになってきますね。
なので、今日はどうだったんですかねって話はしてしまうことが多いです。
そこはいつも迷いますけどね。そこまで言ってもいいものなのかって。
山崎
出演者さんとの関係性や、お客さんとの関係性をそこまで考えたり、感じたりしているから、長くイベントを続けていられるんだと思います。
一発大きいイベントを組むのは意外と簡単、というか、可能なんですけど、続けていくっていうのは、いろいろな視点や気遣いがないと難しいですよね。
服部
そうですね。続けるには冷静でないといけないし、僕も出演者も、今日もイベント最高だったねって言い合っても、お客さんの中にはちょっと居心地悪かったよって場合もあるので。そこをどう捉えるか、っていうのはありますよね。
僕たちが楽しかったからそれでいいよねってなったらいけない気がして。
別でやってたイベントでそういうことがあったんです。
すごい良かったねって打ち上げでも楽しく語り合ったんですけど、とある方が、ブログで、痛烈なことを書いていらして。すごく長く書いて頂いて、全部読んで。
あっ、こういうところまで指摘をされるのかって。すごく細かい部分だったんです。
見た瞬間は感情的になっちゃったんです、営業妨害じゃないかって(笑)。
でも実際に来て下さった方の声だから。
ここはこうしたほうが良い、ここはこう改善した方が良いって書いてあるのを見たときに、確かにここはそうした方がいいかも、でもここは僕のポリシーだから譲りたくないなっていう気持ちとちゃんと向かい合わなきゃいけなかったんです。でも、それはイベントを続けていくために良かったのかもなって。
続けてるから自信がある部分もあったし、イベントをやるからには、次はいつやりますって言える状態でいたかったし。
山崎
そうなんですよね。思わぬところで、これはどうなのって意見を頂くことってありますよね。
やっぱりみんな考え方が違うし、大人数相手のことですから、自分では良いなって思ったことでも受け入れてもらえないことは当然ありますよね。
その辺の精神的なタフさとか向かい合う気持ち、改善する素直さみたいなものは常に持っていないといけないですし、かといって全部譲ってしまったら、それは自分がやる意味がなくなってしまうという難しさはありますよね。服部さんのイベントはその辺の軸がしっかりしているなぁと思います。
それがイベントに現れていますよね。
服部
イベントを続けて、歳も重ねて、自分が変に迷いをみせたら不安にさせることが増えちゃうし。
それはお店も一緒なんですけど、自分が悩んでる姿を見せると、働いてる子も大丈夫ですかってなっちゃうから。悩むのは必要だけど、出さないようにしないとって。
山崎
そうですよね。やっぱりトップに立っていると立ち振る舞いに気を付けることもありますよね。
いま、何人くらいバイトさん、いらっしゃるんですか。
服部
18人かな。
山崎
わぁ、、!そんなにいるの。すごい。
こういうお店だと、キャラとかが重要になってくるんですよね、きっと。
服部
そうです。よく言われるのが、僕が司会者で、スタッフがお笑い芸人みたいな構図だねって。
山崎
なるほど(笑)。
服部
僕が働いてくれる子をいかに活かせるかってことなんです。
だから、自分が活かせると思う子としか仕事しないし。
山崎
その十数人の強みとか弱点も理解しつつ、こういうときは、こうすると良い方に転ぶかなっていうのを指揮している感じなんですね。
服部
そうそう、こう言ったら、こう返してくれるかなとか。 それもお客さんによって反応が違うので。
ちょっと小競り合いみたいなことをした時に、このお客さんはすごいおもしろがってくれるけど、あのお客さんはひいちゃうかなとか。そこはよく反省します。
1 2 3

10周年トップへ

ページのトップへ


cl