山崎
ほんとにおもしろいね。
だから、まどちゃん、どんなお母さんになるんだろうって思ってました。
出産してから、何か変わった?
はなり山
変わりましたね。結婚しても変わらなかった部分が、出産したら変わりましたね。
山崎
そうよね。結婚しても変わった気がしなかったもんね。
はなり山
夫に「おまえ、結婚したんだからちゃんと意識しろ」ってよく怒られたけど、変わる気がなかったんだと思います。
山崎
どういう時に怒られるの?
はなり山
一番怒られていたのは、飲みに行って、帰るのが遅くなったり、終電逃したりした時(笑)。
「結婚してるんだから、お前に何かあったら、お前の両親に頭下げるのは俺なんだぞ!!」って。
私はそういうのが全然解んなくて。。。
私は結婚を、ただ婚姻届書いて、ハンコ押して役所に出してハイオッケー!としか思ってなくて。
山崎
旦那さん、年下なのにしっかりしてるね。
はなり山
私は仕事を辞めてから三年間、漫画家を目指してたけど、結局ほとんど遊んでて何にもならなかったんです。
夫からは、家族に迷惑をかけないなら続けても良いって言われてるんですけど。やり始めると、周りのことを考えないで絶対自分優先になっちゃうんで。
私、そういう人間なんです、自己中なんです。
だから、迷惑をかけない自信がないから、漫画家目指すのやめました。
子供が大きくなるまではやらないって思ってるんです。
山崎
夢としては、いつか漫画家に、、っていうのがあるのかな。
はなり山
夢は二つあって、一つは「不眠症くん」(はなり山作の漫画)をガチャガチャにしたい。
山崎
わぁ、ガチャガチャは夢あるね、いいね。
はなり山
そうなんです。それともう一つは、ドラマを描きたい。
山崎
脚本家ってこと?
はなり山
そうです。テーマは"家族"のことが書きたいと思っているんです。自分がちゃんと家族を築いていく中で、脚本ってことも頭に入れながら過ごしていたら、書けるんじゃないかなって思っているんですけど。
一番は家族に迷惑をかけちゃいけないし、軸は家族だから。
だから今、すごく悩んでいるところなんです。
一日の生活の中で、家族に迷惑をかけないで、どの部分を自分の時間として使えるのかなっていうことを。
山崎
きっと、毎日ぐったりするものね。子育てしてたら。
はなり山
とはいっても、寝る前にお酒飲みながら好きなアニメ観たりしてるんですけどね。
山崎
そっか、まどちゃんは元気あるんだね。
私の周りの子どもを産んだ人たち、自分のお姉ちゃんもそうだけど、本当にみんな何も出来ないって言ってたの。子育て以外は何も。だから、まどちゃんに今回の10周年のフライヤーを頼むのは、心苦しかったんだけど、本当にがっつりやってくれて。
はなり山
いや、やったー!って感じで引き受けたんですけど、やり始めたらヤバい出来ない…って思ってました。
何が出来ないかって言うと、絵が描けなかったんです。出産してからずっと描いてなかったし。昔の描き方をしても何かしっくりこないし。今の自分の絵を描くモードがどこにあるのかわかんなくなっちゃって。それで何度も描き直して。正直、妥協した部分もあるんです。
一人の時は、サボる時間とかもあって。そのサボる時間を考える時間に充てられたから、その時の自分にとって一番の描き方を見つけられたけど、今の生活だと家族のリズムを崩さずに作業できる時間が一日二時間しかなくて。
サボる時間がないから、手を動かしながら考えていかなきゃいけないんだけど、それが私にはうまくできなくて。
絵がうまく描けなくて、もう駄目かもしれない…って思いながら眠りについた日もありました。だから、仕上がった時は色んな意味で嬉しくて。
山崎
そっかそっか。ありがとう、本当に。
そうだよね、サボる時間って大切だよね。その中で生まれるアイディアってあるもんね。
一度、まどちゃんが「これでどうでしょう」って、完成案を送ってくれた時に、まどちゃんが子育てで本当に忙しい中、時間を削ってやってくれているって解っているのに「いや、これは違います。」って返事をしちゃって(笑)。もうね、ひどいよね、私。
はなり山
いや、でもそう言ってくれて良かったですよ。だって自分の中で100%じゃないものを出してることはわかってるんですもん。でも時間が限られてるし、まずは納期を守らなきゃっていう気持ちがあって。
山崎
結局、納期を伸ばして、私の要望を叶えてもらうんだよね。ほんとにわがまま言ってごめんね。
はなり山
私、今回このお仕事をもらうまで、もう出産したらモノを作るってことは出来ないんだろうなって思っていたんです。出産して一年、なんとか隙をみてやろうって思ってたけど、結局、疲れて寝ちゃったり。もうひと踏ん張りしないとできないことを、今回やらせてもらって、やれば出来るんだって気付かせてもらえた時間だったんです。
山崎
ほんと、外からの力で踏ん張れることってあるよね。
はなり山
それなのに、フライヤーが終わったら、今はもうアニメ観ちゃってる(笑)。
その二時間で、漫画描くなり、文章書くなりすればいいのに、楽しようとしてる(笑)。
山崎
(笑)。今はまどちゃんにとって、夢に向かう時間はなんか違うのかもね。
アニメ観てのんびりする方がしっくりくるんだね、きっと。
はなり山
いや〜、やろうと思えば出来るんですよ。
山崎
何でもね、その方向にエンジンを入れてないと、難しいから。
いくら時間があったとしても気持ち次第だし。
一回違う方向にエンジンかけちゃうと、戻すには倍くらいの時間はかかるよね。
はなり山
そう、だから今ギリギリのところで。辞めるならすっぱり辞めて、10年後再開するなり、目標を定めればいいのに、なんかね、ウジウジしてるんですよ。
山崎
やりたい気持ちもありつつ、、、
はなり山
やりたい気持ち、、、はあるんですけど。
でも自分が今何をやらなきゃいけないかっていうのは解ってるので、そうなると、自分、自分じゃいられなくて。出産して本当に覆されました。
山崎
すごいと思う。私は未だに自分、自分しか、経験がないから尊敬します。
そればっかりは経験してみないとわからないし。
お店とかやってると、みんなが幸せになれる場所を作っててすごいねって言って頂くことがあるんだけど。
私は、自分の家族を幸せに出来ることの方がよっぽどすごいと思う。だからね、まだまだだなって思う。
はなり山
私は自分が夢を持ってることをカッコいいと思って生きてきたんです。
山崎
わはは(笑)。
はなり山
そうなんです、私、夢があるんだ!キラキラキラって。だから、サラリーマンのお父さんとかを、どこか馬鹿にしてたんです。自分の夢も持たないで、「ケッ」て感じで。
でも、自分が今、子供を持ってつくづく思うことは、世の中のお父さんお母さんって本当すごいんだなぁって。
だって、夢どころじゃなくて、目の前の現実に一生懸命で、自分の為に働いてるんじゃなくて、家族のために働いてるんですもん。守っているものが全然違います。馬鹿にしていた自分が恥ずかしくて、、、土下座して謝りたいです。
山崎
そうよね、ほんとに。お母さんなんて、わが子のためにすべての時間を費やすでしょ。
本当にすごいことだなって思う。
はなり山
私も自分自身がひっくり返りました(笑)。
今まで何かに振り回されることなんてなかったのに、今は全てが振り回されて。でも365日、振り回されていると慣れるんです(笑)。今、親になって1年3ヶ月ですけど、ちょっとずつ、慣れてくるんだなぁって。
山崎
お互いに子に、親に、なっていくんだね。
出産の瞬間ってやっぱり感動的だった?それどころじゃなかった?
はなり山
いや、感動的でした、やっぱり。
山崎
意識ハッキリ?
はなり山
はい、安産だったので!
妊娠中と出産までが夢で、その後はもう、もろ現実が始まりましたね(笑)。
でもやっと大人になれた気がします。
別に結婚してなくても、子供がいなくても、立派な人はたくさんいると思うんです。私は多分、一人だったら本当に一生小学生だったと思う。精神年齢が。
山崎
出産前の超自由で天真爛漫なまどちゃんも素敵だったけど(笑)。
でもね、どんな立派な女性だろうが、キャリアウーマンだろうが、子供を産んで育てるのはイチから学ぶことだから、これをやっているってことが素晴らしいよ、本当に。
はなり山
今、自分がよくわからないんです。自信がないっていうのもあるけど、これは本当の自分なのか?どうなんだ?って思うことがたまにあるんです。
でも正直、ずっとこういう自分になりたかったってのもあるんです。
よく意味がわからないかもしれないけど、自分に見つからないところへ行きたかったんです。
自分が知っている自分の範囲内を超えたかったんです。だからきっと今、いままでの自分を超えている最中だと思ってます。
山崎
なんとなく、わかる気がするなぁ。
経験したことはないけれど、友達が次々に子供を産むでしょ。みんなすごく変わるんだよね。まず表情がすごく変わるし、言葉遣いや度胸、全て変わるよね。
守るものがあるってすごいなぁ、素敵だなぁって思うの。
この間、久々にまどちゃんに会った時も、あぁ、お母さんの顔だなぁって思った。
あとね、すごく柔らかくなるよね。許容する日々だろうから。
はなり山
今までいないと思っていた自分ですからね。根拠のない自信が満々の自分がどこかへ消えました(笑)。
山崎
まどちゃんからそんな言葉が聞けるとは思わなかったよ(笑)。
はなり山
でも最近ボケてきました。脳みそが退化しているみたいで言葉が出ないなってことがたくさんあるんです。
有名な芸能人の名前が思い出せなかったり、会話の返しが上手く出来なかったり。正直マズいって思ってるんですよ。
山崎
脳の使い方が今までとは違うよね。
はなり山
はい。今は毎日同じことを繰り返さないといけないし、それが大事だから。
でもそれだと、私すぐボケちゃいそうです。
山崎
きっと、同じことを繰り返している中でも、間に小さな雑用をたくさんしているだろうから、ボケないよ(笑)。
常にあれやらなきゃ、これやらなきゃってエンジンかかってるだろうし。
あと、どんどん子供がおしゃべりするようになるから、そしたら逆に鍛えられるね。
はなり山
そっかぁ、子供に鍛えてもらいたい!もらおっ!それがいーわ!
山崎
まどちゃん、家事が好きなイメージあるなぁ。
ネクストの大みそかの大掃除の時にも掃除を手伝いに来てくれたよね。
突然、「みやこ店長、大みそかの掃除、やらせてください!」って連絡くれて。
すごい頑張ってちゃきちゃき掃除してくれて。
はなり山
そうですね。あれは、いつもお世話になっているネクストの為に自分も何か出来ないだろうかと考えたんだと思います(笑)。
山崎
あとね、まどちゃんがくれるメール、好きだった。昔、よく送ってくれたんだよね。自分の気持ちとか。
そこの最後にね、よく「私は人間が嫌いです。」って書いてあったの。
はなり山
そうでしたっけ?
山崎
そう(笑)。
はなり山
でも、わたしまだネクストを知らないときにホームページを観てて、どこかに、"お酒が好き、音楽が好き、人が好きな方、来て下さい"みたいなことが書いてあって、ライブハウスだし、私、音楽は別に特別好きじゃないけど、人間好きだからいいよね?って思って通った覚えがあります。
山崎
先にホームページまで観てくれてたんだ。嬉しいな。そうそう、まどちゃんは遊びに来ると、いつもわいわいみんなと騒いでいて楽しそうだったんだけど、でも、自分のやりたいことがうまく出来ないって、泣きながら来た日もあった。ちょうど悩んでた時期だったのかな。
はなり山
その時はそういう時代だったんですね。仕事も失敗ばっかだったし。
元々は人間大好きだったけど、自分に自信がなくなって、人間嫌いになってたんだと思います。
それは要は自分のことが嫌いだから、嫌いな自分を通して見る他人も嫌いになっていたってことだったんだと思います。
その時代が終わったのでもう好きですよ、人間。
ただ、人とつるんだりはしないですけど。
山崎
全然、つるむイメージないね(笑)。
自分時間で暮らしてる感じ。
はなり山
SNSもやってみたけど好きじゃないし。
facebookとかの"あなたの知り合いじゃないですか?"って勝手に繋がっていく感じとか、不自然で気持ち悪い。
昔のクラスメートには、道で自然にばったり会いたいです。
山崎
そうなんだね。私、やってないからあんまりわからないけれど。確かに無理やりつながる感じは気持ち悪いかもね。
はなり山
でもそんなんだから、年々友達は減っていると思います。
山崎
ほんとに?でも、それが心地いいならそれで良いよね。
はなり山
決まり事のように、毎月とか、毎年とか会おうねっていう付き合い方が好きじゃないんだと思います。
会いたいと思った時に会いたい。それが会うには一番良いって自分勝手に思ってるんですよね。
山崎
毎月会おうねって若い女の子っぽいね(笑)。
会いたいときに会えるのが理想だよね。
私は会いたい人がいすぎて、すぐいっぱいいっぱいになっちゃう。
まどちゃんとは逆のタイプだね。
はなり山
私も会いたいって思う人はたくさんいるんですよ。でも、日頃の行いが悪いから、突然「会いたいです」とも言いづらくなってしまって、結局、会いたい気持ちは不完全燃焼で終わったりしてます。
1 2 3

10周年トップへ

ページのトップへ


cl