山崎
そうでしょうね、それはスタッフを見ていても思います。私以外のスタッフはみんな歌ったり、音楽をやっている方たちなので。
菊池
あっ、そうか。沙世さんも以前は歌ってる人というより働いている人だったのか。
山崎
そうですね。
菊池
沙世さんは最近歌ってるんですか?
山崎
今年、東京は演っていないらしくて、私がこちらでやらせて頂く3月18日の企画が今年の東京初ライヴらしいです。
菊池
えぇ〜嬉しい!やっぱり、ネクストサンデーがホームって感じだから。
山崎
そうですね、なんだかんだで。あのピアノと触れあってる時間も多いでしょうし。
働いてる時はよく弾いてましたね。私が早めに出勤すると、沙世ちゃんがさらに先に来ていて、入り口のドアからピアノと歌声が聴こえてきて。とっても高らかに歌ってるから、まだ入らずにぶらぶらしてこようかな、とか。よくありましたね。
菊池
熱い人なんだなぁ。素敵な話だ〜。
山崎
そうですね、情熱的な方です。
菊池
でも、そうやって、みやこさんが路上を駆け回って、お店の宣伝した話って本当にすごいと思いますよ。僕はそういうのは不得手で。ニーズがあれば人は来るしって思っていました。 確かめたかったんでしょうね、この店の魅力がいかほどなのか。宣伝もしなかったのに、でもどういうわけか知ってくれるんですよね。
山崎
最初の出演者さんって覚えてますか?
菊池
いや、もう覚えてないです。
山崎
最初はどうやってきたんだろう。ホームページはあったんですか?
菊池
ホームページはありました。あ、最初は自分でDJイベントやりましたね。とりあえず音楽をやってますよってことをアピールしなきゃと思って。知り合いのDJとかいたので、ワイワイやってて。そこからどうなったんだったかなぁ。。
山崎
通りがかった人がふらっと来たり?
菊池
いや、来ないですよ。むしろ怖がって。地下からドンドン聴こえてて怖い、みたいな(笑)。
三鷹はファミリー層が多いから。ファミレスとか家族で行ける飲食店の方がメインで、単身者が一人で飲みに来る雰囲気はあんまりないですね。でもどういうわけか、お店に来てくれる人が出てきて、気に入ってくれた人が友達誘って紹介してくれたり。
でも、オープン当初、貯金通帳の残高がドンドン減っていくのが本当に怖くて。。お店を開けているだけで、何十万も減っていくじゃないですか。ゾクゾクしました(笑)。
山崎
ですよね〜(笑)。お金のプレッシャー、相当すごいですよね。
菊池
人生であんな気持ち味わったの初めてでした。何十万単位で減っていくから。逆算すると、ああ、残りこれくらいしか持たないなって、分かっちゃうじゃないですか。店の寿命じゃないですけど(笑)。
山崎
私もほんとに怖くて眠れない日もありました(笑)。 でも何かの瞬間に、まぁダメなら仕方ないかって思えたりしますけど。
菊池
そう。ニーズがないんだからしょうがないって。甘かったなぁみたいな諦めの気持ちでいたけれど、半年くらいしたら、ちょっとずつ落ち着いてきて。そういうもんなんですかねぇ。
山崎
そうですねぇ。私も一年乗り切った時、なんとかやっていけるかなぁと思ったりしましたけど、でも何度かもう絶対絶命だ、って思ったことはありましたね、経済的に。あぁ、もう来月はみんなに給料払えないかな、、、みたいな(笑)。
菊池
ゾクゾクしますね(笑)。
山崎
お店ってそういう意味でわかりやすいですよね。結果が明確というか。あなたはもう赤点ですよって。
菊池
そうそう、もうゲームオーバーですって言われるから。
山崎
だから、逆に良いのかもしれないけど、恐怖感はすごい。
菊池
寝れない夜(笑)。
山崎
ほんとに、、、恐怖で眠れない(笑)。
菊池
電話してくださいよ(笑)。
山崎
ふふふ(笑)。だから、いろんな対策パターンを考えるんですよ。風呂なしに引っ越そうかなとか、値上げは違うなぁとか、いろいろ考えて眠れなくなる。
菊池
だって、自分の家の家賃下げてもせいぜい月数万じゃないですか(笑)。
山崎
ですね(笑)。
菊池
いやー、でも10年すごいですよ。
山崎
私もよくこんなフラフラでもったなぁって。
菊池
ネクストサンデーの存在は、最初、沙世さんに聞いて知ったんですけど。
僕は横のつながりが全く無くて。他のライヴハウスの存在なんて気にせずやっていたんです。それで、僕の記憶違いなんですが、おじさんがやってると思ってて、何故か(笑)。
山崎
あっ、それ勘違いしている方、けっこう多かったんですよ。音響の沢田さんがいた時に、沢田さんが店長だと思っている方もたくさんいて。まぁ、それはそれでいっかって思ってたんです(笑)。
菊池
そうなんですね。だから、おじさんがやっているのに、お店の名前が「ネクストサンデー」って、。どんな人なんだろうって思ってたんです。渋谷系とか引きずっている方なのかな、みたいな(笑)。
2、3年勘違いしてて、女性の店主ですよって教えてもらって、えっ!?て、俄然興味が湧きました(笑)。
山崎
でもどう見てもそう思いますよね。
お店に入ってきて、音響卓におじさんがいて、ドリンクが年下の女性だったら、そう思うのが当然だと思います。
おんがくのじかんさんも6年目?でしたっけ?
菊池
今、奇蹟の7年目です。
山崎
わぁ。私、7年目くらいで一回、息切れではぁはぁしました。
菊池
しましたか(笑)。
山崎
はい。それまではがむしゃらで、お店閉めてても、いつも店にいたんです。お正月とかもずっと。 行かないと気が気じゃなくて。
菊池
すごい。
山崎
あれもやってないし、これもやってないしって。
菊池
メンテナンス的な?
山崎
最近、イス拭いてないなとか。それで、ずっと店にいて、それが私にとって暮らすことだったんですけど、8年目位でたまにはお店に行かない日が欲しいなって思い始めて。
菊池
ほぉ。
山崎
今は月に2、3日は全く行かない日があるかなぁって感じです。
菊池
それはお店が休みの日?
山崎
そうです。
菊池
定休日あるんですか?
山崎
はい、月火曜日。
菊池
なるほど。
山崎
そうなんです。そもそもお店やる時に一番心がけたのは心地の良いライヴハウスにしたいってことだったんです。
自分がライヴハウスに行くときの印象が、暗くて、あまりきれいじゃなくて、スタッフさんが怖くて疲れてるって印象があって。
菊池
バーカウンターの人とか、つまらなそうにやってたりしますよね(笑)。
山崎
そうそう。あれが嫌だなって思って。やっぱり行く方は楽しみに行ってるから。
菊池
僕もあれは嫌な気持ちになっちゃいますね。
山崎
怖いなって思って。私は女性一人でものんびり来られる店が良かったので、そう思ったら、あんまり過酷なことをしちゃうと、スタッフさんが疲れちゃうって思って。
菊池
オープン当初から?すごいなぁ〜
山崎
ライヴハウスだからって、接客態度が悪くて良いわけないし、気持ち良く働ける環境は重要ですよね。
菊池
とても大切な提案ですね。そして、それを、実践した。
山崎
はい。なので、最初はずっと突発的な休みは取らずに、週休二日を守っていました。
菊池
僕は全く逆で、基本休み無しの状態にしておいて、イベントが入らなかったら休みを取っています。
山崎
菊池さんレコーディングもしてるから、録音入ったらライヴできないですよね。
菊池
だから、すごく流動的ですね。
山崎
私も時を経て、今はそんな感じ。
菊池
僕にとって、ネクストサンデーさんは、ハコとして一番理想的です。
山崎
え〜、私はこのおんがくのじかんさんの規模にすごく魅力を感じます。
出演者さんもお客さんも自分の視界に入るから。一度くらい交換してやりたいですね(笑)。
菊池
(笑)。

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菊池
ビールでいいですか?
山崎
はい、ビール飲みたかったです。改めまして、よろしくお願いします。煮込み食べたい。
菊池
頼みましょう。
山崎
おんがくのじかんさんって食べ物出るんですか?
菊池
出していないんです。でも料理は好きな方だから、簡単なミネストローネとか作れます。
山崎
えっ、すごいじゃないですか。
菊池
そんな凝ったものじゃないですよ。
山崎
お家で料理するんですか。
菊池
はい、自炊が多いです。
山崎
でも基本は奥様が作ってる?
菊池
いや、食べたい人が作る感じですね。今日どうしてもポトフ食べたいってなったら、食べたい人が作る。みたいな。
山崎
素敵な在り方。
菊池
そうですね、決め事は少ないかも知れないです。洗濯なども各自でやるし。一緒は嫌じゃないですか?
山崎
うーん、私、あんまり気にしないかも。
菊池
時々、奥さんのものが混ざってると気まずい気持ちになります(笑)。
山崎
あ、でも相手がやってくれるっていう経験がないから。
菊池
やる側?
山崎
そうですね、いつもやる側です。深く考えずに一緒に洗うかなぁ。
菊池
愛する人のものですからね。
山崎
そうですね、好きな人がお任せしてくれるなら、それはそれで嬉しいです。
菊池
うちは洗剤がそれぞれこだわりあったりするので(笑)。
山崎
(笑)。菊池さん、何がいいんですか?
菊池
いや、何が良いってわけじゃないんですが、僕は僕で使っているのがあるし、彼女は彼女で使っているのがあるので。
山崎
へぇ、面白い。
菊池
食べ物といえば、ネクストっておにぎりありますよね。昆布とチーズの。
山崎
はい。
菊池
あれ、本当に美味しいですよね〜
山崎
うれしい、ありがとうございます。
菊池
レギュラーメニューなんですか?日替わりだったりするんですか?
山崎
何種類かあったんですけど、あれが一番人気あったから、あれだけにしました。
菊池
そういえば、以前に音響を担当された沢田さんとはどういう巡り合わせだったんですか。
山崎
それで、たまたま音響の人が辞めちゃうことが決まってたから、じゃあ面接を、、、となりました。 けっこう経歴がおもしろくて。
菊池
どういう経歴なんですか?
山崎
マーキーって音楽雑誌があるじゃないですか。あそこで編集をやってたみたいで、まずそこで面白いなって思って。
あと、「○日〜○日はヨーロッパにツアーに行くから出勤出来ません」って履歴書に書いてあって。 えっ、すごいなって思って。何やってるんですかって聞いたら、ドラマーだっていうから、興味がわいて。
菊池
ドラマーなんだ。
山崎
そうなんです。すごい面白い経験をたくさんしてきた方で。でも最初は沢田さんが自由過ぎてすごくもめました。まず、出勤時間に来ないんです。毎日遅刻するから、注意したら「僕は時間の枠に囚われて生きたくない。店長もよく考えてみてください。」って(笑)。
いや、ここはステージじゃなくて働く場ですよ、みたいなやりとりが何度もあって(笑)。
菊池
アーティスト発言(笑)。
山崎
でも、すごく真剣に一緒に音作りに協力してくれて。だんだん遅刻くらい、まぁいっかって気持ちになりました。
菊池
僕が最初にネクストサンデーにお邪魔した時、その音の良さに感動したのですが、その音は沢田さんが作っていたんだと思うんです。
山崎
そうですね。菊池さんが初めて来てくださった時は沢田さんが音響でしたね。音作りには本当に真剣に向かい合ってくれました。お店に勤めるようになって最初の一ヶ月位は毎日、今日の音はどうでした?って聞いてくれたんです。 それで、私の感想をすごくまじめに聞いてくれて。その後も、店長が音が好きだなと思うCDを何枚か持ってきて欲しいとか、常に研究してくれていました。
菊池
そうやって作られていくものですよね。
山崎
そうですね。私のやりたいことをすごく解ってくれていましたね。
菊池
ドイツに行ったままですか?
山崎
そうですね。
菊池
戻ってこないかなぁ。お会いして、素晴らしい音ですねって伝えたかったなぁ。
山崎
戻ってこなそうですねぇ。
菊池
僕、モツ食べていいですか。
山崎
どうぞ。私、熱燗呑む。
菊池
じゃあ、僕も熱燗呑もう。そもそも、スタインウェイのピアノを入れようと思ったのはなんでなんですか?
山崎
私、群馬出身なんですけど、知り合いの知り合いの方がやっていたライヴハウスが群馬にあって。
それが、全然流行ってなくて、ライヴもほとんどやってないし、スタッフさんもやる気が全然無くて、スタインウェイだけがぽつんと置かれていたんです。 あのピアノって全く使われてないんですかって聞いたら、なんせライヴが入ってないから、って話で。
ダメ元で、それはもったいない、東京で使いたいのですが、、って伝えてみたんです。
そしたら、そこのオーナーさんも音楽に思い入れがあるわけじゃなくて、色んな事業のうちの一つみたいだったので、あっさりいいよってなりました(笑)。 もう閉めようかなって思ってたみたいで。
だから最初は持ってきたはいいけど、ずっと誰にも触れてもらえてなかったから、音が死んでいたんです。頻繁に調律入れてみたんですけど、調律してもすぐ狂うし。
菊池
やってもやっても狂う。
山崎
そうです、音も響かない。どうしようって思ってた時に、シモシュさんってピアニストに出会って。
初めて出会った時にあのピアノを弾いて感想をくださって、素晴らしい調律師さんを知ってるから紹介しましょうかって言ってくれたんです。
シモシュさんに会ったばかりだったんですけど、ピアノを弾いてる姿と音を聴いて、この方なら信頼できると思って、その調律師さんにお願いしたんです。
菊池
ほぉ。
山崎
それで、来てくださった調律師さんがとってもにこやかなおじいちゃんで。穏やかさが顔ににじみ出ているような。 キリっとした方がいらっしゃると思っていたので、意外だなぁと思いながら、何時間かいじっていただいたら、音が急にぱぁぁぁってなって。 本当に生き返ったみたいにキラキラキラってしたんです。もう感動して!
菊池
キラキラキラ。
山崎
あの体験は今でもすごく覚えてます。夢みたいでした。キラキラが降ってくるみたいな。
菊池
なんとなくわかります。
山崎
それでずっとその方にお願いしていたんですけど、引退されたので、今は違う方なんですが。本当に巡り合わせってありますよね。
菊池
良い話だ〜。どうしてスタインウェイなんだろうって思ってたんです。
山崎
私、色んなところをうろちょろしてるから(笑)。運の良い出会いでしたね。 自分の能力が無い事は解ってるので、後は足を使って動き回るしかないですから。
菊池
やっぱりお店にはドラマがありますよね。
山崎
私も菊池さんのオープンの日の話は忘れないです(笑)。
菊池
思惑と真逆の結果が出たりしますよね。でも、そういう状況になったことが、今までと違う世界で生きていくんだなぁと思って面白かったです。
山崎
そんな面白い巡り合わせでこうして菊池さんと呑み友達になって、企画のコラボをさせていただくことになったわけですが(笑)。楽しみですね
菊池
本当に楽しみです。初出演と云うテーマもあり、お互いフレッシュな刺激を受けそうですね。僕が一番理想的だと思う、ネクストサンデーさんで、トビキリの音楽家の演奏を楽しめるなんて、お店続けてきて、良かったと思います(笑)。 普通にお客さんとして楽しんでしまいそうです。
山崎
ふだんは音響もやり、受付もやり、、でゆっくり楽しむ余裕はないと思いますので、今回は存分に楽しんでくださいませ(笑)。
以前から、何人かの方から「おんがくのじかんっていう箱のオーナーの菊池さんとみやこさんは絶対に気が合うと思うよ。」って言われてたんです。
だからお会い出来るのをすごく楽しみにしていて。 実際お会いして、もう何年も知り合いだったかのような居心地の良さです(笑)。
菊池
似たような環境に身を置く者同士だからなのか、僕もこんな近い距離感で話せる方とお会いできて、嬉しく思います。これからもどうぞ宜しくお願いします〜。
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菊池さとし プロフィール

http://ongakunojikan.com/
東京・中央線:三鷹駅前にて、「おんがくのじかん」と云うイベントスペースをキリモリしています。
並行して、音楽レーベル業務やCDショップもマイペースにて。
最新リリースは、Eve「yoru wo koeru」どうぞ宜しくお願い致します。

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